乗馬クラブの本業のほかに
"農業人"としても頑張りたい。
人と馬、そして農業。
自然と出来上がった循環を大切にしながら
つくばみらい市の農業を活性化すべく奮闘中。
父の後を継ぎ、25歳で乗馬クラブへ
つくばみらい市にある柏乗馬クラブは、日本の馬術界の草分け的存在で、国内外を問わず多くの選手を輩出、創設は50年近く前にさかのぼります。創設者である父、山蔦紘三郎とともに、2008年に柏市(千葉県)からこの地に移りました。子どもの頃の住まいは旧谷和原村(現つくばみらい市)にあり、父が経営する乗馬クラブとは離れていたこともあって、幼い頃に馬に乗った記憶はない。 柔道を習ったり、祖母と一緒に野菜作りを楽しみながら育ち、華道や茶道などの習い事もたしなんだそうです。
20代前半には10カ国以上の世界各地を旅して回りました。 言葉も通じない外国で、役に立ったのは華道や自動車整備の腕でした。海外で信用されるためには、自国の文化に精通し、確かな技術や知識があることが大事であることを実感したそうです。
帰国後は父の後を継ぐことを決め、他の乗馬クラブで5年間基礎を学びます。厳しいトレーニングも受けながら、時間を見つけては野菜を育てました。 小さなスペースを耕して野菜を作り、収穫して食べる。育てる楽しみ、食べる喜び、「おいしいね」と食べてもらえる嬉しさ、それは幼い頃祖母と一緒に畑で過ごした日々を思い出させ、自然と農業に惹かれていきました。
そして、おいしい物を作って食べさせたいという思いは、結婚して子どもが生まれてからますます強くなり、つくばみらい市にクラブを移転したのを機に本格的に循環型農業を始めました。
地域全体が活性化してく未来を
つくばみらい市には農業を営む若手経営者で作る「つくばみらい4Hクラブ」があり、山蔦さんもその一員。研修会を開いたり、地元パン屋さんとつくばみらい市産の野菜を使ったパンを試作するなど、これからの農業について語り、日々切磋琢磨しています。
つくばみらい市認証特産品である「みらいプレミアム」にも「つくばみらい4Hクラブ」のメンバーや地元の仲間が作った品が数多く認証されています。
馬ふん堆肥で土作りにこだわって栽培し、低温で1ヶ月発酵熟成させた「熟成黒にんにく」もその一つ。
柏乗馬クラブには遠方から乗馬を習いに来ている方も多く、広々とした馬場で馬に乗りつくばみらいの自然に触れリフレッシュして帰る方も。
『馬がきっかけで、茨城を好きになって貰えれば嬉しいし、会員さんの中には、乗馬のあとに農作業をしていく方もいます。例えば、地元の食材を使ったレストランで食事をとり、直売所でお土産を買って帰るような人の流れを作れば地元全体が潤うことができます。
馬ふん堆肥を使って作る野菜のおいしさが認められて「つくばみらいの野菜」というブランドが知られるようになり、多くの人に食べてもらえることが出来ればと考えています。農業の循環だけでなく、地域全体で多くの人や産業が循環すること、いろいろなものをつなげてみんなで盛り上げていきたい。人がいて、馬がいて、農業があって、自分もまた大きな循環のなかの一部分なんです』
と、山蔦さん。
これからも、柏乗馬クラブ・馬の恵ファームの発展、つくばみらいの未来の為にご活躍下さい!